パンピー図鑑|さってぃ ― “できること”を積み重ねてきた人

プロフィール

ごく普通の会社員。
時々Webデザイナーとして活動。
「やりたいことは全部やる主義」を掲げ、
必要とあればイベントの企画・運営にも関わることがある。
わがままに、しかし誠実に、自分の人生を丁寧に選び取りながら生きる人。


“夢が思い浮かばない子ども”から始まった人生

「将来の夢は?」
幼い頃からその問いに答えることができなかった。

同級生が思い思いの夢を語る中で、
さってぃには未来のイメージがまったく湧かなかったという。
なにかになりたいという願望よりも、
“いま目の前の生活をこなす”ことが優先のタイプだった。

高校までは「与えられたレールを外れずに進む」ことが自分の役割だった。
ただ、専門学校への進学だけは違った。
初めて自分の意思で進路を選んだことで、
ゆるやかに「自分の人生を自分で選ぶ」という感覚が芽生え始めた。


やりたいことがないなら、まず“できそうなこと”から

さってぃは、自身を「経験豊富なリアリスト」と表現する。
それは、大きな夢を掲げて突き進んだ結果ではなく、
“できる × 少しやりたい” の交差点を積み重ねてきた結果だ。

芸能界や派手な成功を目指すタイプではなかった。
その代わりに、背伸びしすぎない、手が届く範囲の挑戦を丁寧に拾い続けた。

スポーツショップで働いてみる。
小さなカフェでイベントをしてみる。
興味を持ったデザインを学んでみる。

そうした小さな一歩の連続が、
気づけば「人前で歌う」「イベントを主催する」といった
予想していなかった領域へ自然とつながっていった。

大きな夢を描けなかったからこそ、
着実に歩みを重ねることができた――そんな生き方である。


“裏切り”が教えてくれた、本音で生きること

社会人になってからの大きな転機は、
親友と呼んでいた存在からの裏切りだった。

その出来事は、価値観そのものを揺さぶったという。

「怖いものがなくなった。もう守るものがない、という感覚だった。」

そこから、さってぃは本音で向き合う生き方へ変わった。

嘘をつかず、取り繕わず、相手に好かれるために自分を曲げない。
なぜなら、「嘘の自分で接すると、相手も本音を閉ざす」と知ったからだ。

弱さや悩みを正直に話したとき、
意外にも「話してくれてよかった」と受け止めてくれる人がいた。

その経験は“人は本音でつながれる”という小さな確信になり、
今のさってぃの人間関係の礎になっている。


体調を崩して気づいた、“我慢しない”という選択肢

もうひとつの転機は、体調を崩したことだ。

ストレスを「処理できている」と思い込んでいたが、
身体が限界を迎えたことで、自分を過大評価していたことを知った。

そこから彼女は決めた。

「嫌なことはやめる。無理はしない。」

我慢しても自分も相手も幸せにならない。
“安心”とは、マイナスの感情が少ない状態である。

生き方の基準が“耐える”から“整える”へと変わったのは、
この経験があったからだ。


経験が、決断力を育てる

さってぃの特徴のひとつが 決断力 である。

それは勢いではなく、経験値に裏付けされた“直観”に近い。

「こっちに進めばどうなるか、なんとなく分かる。
たぶん、経験を多くしてきたから。」

失敗しても戻ればいい。
うまくいかなければ別の道を選べばいい。

その柔軟な姿勢が、迷いすぎずに一歩を踏み出す力を与えてきた。
一方で、悩むこと自体が悪ではないとも言う。

「人は悩みたい時期がある。その時間も必要だと思う。」

ただ、さってぃ自身は「モヤモヤ期を長く持ちたくない」タイプ。
だからこそ、早めに決断し、小さな行動に移してきた。


安心できる場所と仲間があれば、十分に幸せ

現在のさってぃにとっての幸せは、大きな成功よりも
“日々を安心して過ごせること”にある。

信頼できる仲間がいて、
無理をしない働き方ができて、
時々やりたいことに時間を使える。

20代は挑戦の時期だった。
いまは、積み重ねた経験という“材料”を活かしながら、
自分のための未来をゆっくり選んでいくフェーズに入っている。

海外へゆとりを持って行ける生活や、
将来のパートナーシップへの関心も少しずつ芽生えている。


“有名ではない人生”にある、確かな価値

パンピー図鑑に登場するのは、華やかな実績を持つ人ではない。
日々の生活の中で、自分なりに選択を積み重ねている“ふつうの人”たちだ。

さってぃの人生には、劇的な成功物語はない。
けれど、等身大の経験・痛み・喜びのひとつひとつが、
これからの誰かの指針になり得る。

「できることしかやらなかった。
でも、その“できる”を広げてきた。」

その在り方は、
“夢が見えない人”にも
“自分のペースで歩きたい人”にも
静かに寄り添ってくれる。

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